求人ノウハウ公共工事依存の会社が今やるべきリスク分散戦略 2025.12.11

 

──安定しているようで最も不安定なのが公共一本という現実──

建設会社の中には、
「公共工事がメインだから安定している」
という感覚を持つ経営者は少なくありません。

確かに公共工事は支払いが確実で、
倒産リスクも低く、
元請けとの関係が安定していれば一定量の仕事は確保できます。

しかし、実際のところ──

公共工事一本は最も危険な経営構造である。

理由は明確で、
公共工事は外部要因(政治・予算・景気)に左右され、
会社が努力してもコントロールできない領域が広いからです。

本コラムでは、
公共依存企業が抱えるリスクと、
今から備えるべき「分散戦略」を解説します。

 

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1. 公共工事依存が危険な最大の理由は予算の揺れ

公共工事は予算次第で仕事量が大きく変わります。

特に、

・国の財政状況

・地方自治体の税収

・インフラ投資方針

・競合の増減

こうした外部要因が直接影響します。

会社がどれだけ優秀でも、
予算減少には抗えません。

たとえば

景気悪化

→ 建設投資が削られやすい
公共予算の縮小
入札競争の激化

災害特需の終了

→ 一時的に増えた仕事が急減

これらは過去に何度も起きています。

つまり、公共工事依存は
会社の命運を行政に握られる構造 なのです。

 

2. 技術者・職人の稼働率が予算任せになる危険性

公共工事が減ると、
職人・技術者の稼働率が一気に下がります。

しかし人件費は固定費なので、
仕事が薄くなると赤字化が加速します。

特に大きな問題は、

季節によって稼働が乱れる

元請けの発注が読めない

現場開始までの空白期間が発生しやすい

いわゆる 谷の期間 が増えると、
会社は一気に苦しくなります。

 

3. 公共メイン企業は営業力が育たないという構造的問題

公共工事は、
発注側から仕事が降ってくる構造のため、

・自社の提案営業

・新規顧客開拓

・Web発信

・ブランド力構築

これらのスキルが育ちにくい特徴があります。

つまり、
公共が減った瞬間に市場で戦えなくなる。

そして実際に、

・民間工事の単価で負ける

・見積りが遅い

・営業先がない

という課題を抱える会社が多いのです。

 

4. では、どうリスク分散すべきか?

答えは「3つの柱」を同時につくること**

公共依存から脱却するには、
以下の3つの柱をバランスよく育てることが最重要です。

【柱】民間工事の受注比率を上げる

民間工事は景気に左右される側面はありますが、
受注の自由度が高いのが最大のメリット。

特に有効なのは、

・商業施設

・店舗内装

・オフィス改修

・マンション修繕

・小規模リフォーム

公共より単価は低めですが、
利益率を確保しやすい点が強み です。

【柱元請け化(小規模元請け)を始める

すべてを元請け化する必要はありません。

むしろ最初は小規模でOK

例:

・個人宅の修繕

・店舗の小規模改装

・雑工事の直接請負

元請け化のメリットは絶大で、

利益率が上がる

顧客との関係が強化される

景気や予算による受注変動が減る

“下請け100から脱却するだけで、
会社の体質は強くなります。

【柱】自社ブランド・営業力の構築

公共依存企業が最も弱いのがここ。

営業力が弱い=民間が獲れない
という悪循環に陥ります。

今すぐできる取り組みとしては

・SNSで現場の実績紹介

・施工写真の整理

・ホームページの強化

・Googleビジネスプロフィールの最適化

・お客様の声の収集

・地域密着ブランディング

これだけでも問い合わせは増えます。

特に中小建設会社は、
地域×専門性の掛け算が最強

“堺市×軽天工事
大阪×マンションリフォーム

など、専門色を出すだけで
民間仕事は驚くほど取りやすくなります。

 

5. 公共と民間をミックスすると事業の安定度が劇的に上がる理由

事業が安定するポイントはこれです。

公共は年間の売上を安定させる

●民間は利益率を高める

元請け化は顧客基盤を強化する

この3つが揃うことで、

受注量・利益率・稼働率のすべてが安定する

公共だけ、民間だけでは不安定ですが、
ミックスすると鉄壁になります。

 

6. いきなり比率を変えなくていい。まずは“1割の分散から

いきなり公共依存から
大きく方向転換する必要はありません。

むしろ危険です。

最初はこうで十分です。

・公共90民間10

・民間0毎月1件受注

・営業経験ゼロ → SNS1発信

・元請け経験ゼロ3件だけ小規模請負

重要なのは、
「依存からの一歩目を踏み出すこと」 です。

 

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7. 結論:公共工事は守りながら、選択肢を増やすのが最強の経営

公共工事は素晴らしい市場です。

しかし 一本足打法は危険 です。

会社を強くするのは、

受注先の分散

利益源の分散

技術の分散

営業チャネルの分散

これらを同時に行うこと。

そしてそれは、
今日から少しずつ始められます。

公共依存をやめる必要はありません。
ただし公共だけでは会社は守れません。

公共を土台にしながら、民間・元請け・ブランドの3軸で事業を積み上げる。

この戦略こそが、
これからの中小建設会社に必要な生存戦略です。

 

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