
転職先を探していると、
「日給1万8,000円~」
「月給35万円~」
「年収500万円以上可能」
など、さまざまな給与表記を目にします。
ここで迷うのが、
「結局、どの数字で会社を比較すればいいの?」
という問題です。
日給だけを見れば高い会社でも、雨で現場が休みになれば収入が減るかもしれません。
月給が少し低く見えても、賞与や各種手当を含めれば年収では高くなる場合があります。
さらに休日数や残業時間まで考えると、「一番給料が高い会社」がどこなのかは意外と簡単には分かりません。
そこで今回は、日給・月給・年収の違いから、職人が会社を比較するときに何を見るべきなのかを考えてみます。
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日給が高い=一番稼げるとは限らない
建設業では今でも日給制を採用している会社があります。
例えば、
A社:日給1万8,000円
B社:日給1万6,000円
これだけを見ればA社の方が良さそうです。
仮に月25日働けば、
A社は45万円。
B社は40万円。
月5万円の差になります。
しかし、ここで重要なのが、
「毎月何日働けるのか」
ということです。
日給制の場合、出勤日数によって月収が変動することがあります。
雨天で現場が中止になる。
現場と現場の間が空く。
GWやお盆、年末年始に長期休暇がある。
こうした場合、その月の収入が下がる可能性があります。
そのため日給を見るときは、金額だけではなく、
「月平均で何日くらい出勤するのか」
「仕事がない日はどうなるのか」
「雨天中止の場合はどうなるのか」
まで確認することが大切です。
「日給月給制」も確認しておこう
建設業の求人では、「日給月給」という言葉もよく見かけます。
これは会社によって運用に違いがありますが、基本的には働いた日数などによって月の給与が変動する仕組みとして使われることがあります。
例えば、
「月給35万円」
と書かれていても、欠勤した場合にその分が控除される仕組みになっているケースもあります。
一方、完全月給制であれば、会社の給与規定に基づいて月単位の給与が設定されています。
つまり同じ「月給35万円」という求人でも、給与の仕組みが同じとは限りません。
求人票だけで分からなければ、
「これは完全月給ですか?日給月給ですか?」
と確認しておくと安心です。
月給は比較しやすい。でも「内訳」を見る
月給制は、日給よりも毎月の収入をイメージしやすいのが特徴です。
例えば、
A社:月給38万円
B社:月給35万円
ならA社の方が高く見えます。
しかし、ここでも数字だけで判断するのは早いでしょう。
月給38万円の中に固定残業代が含まれている。
月給35万円の会社では残業代が別途支給される。
この場合、実際の条件は大きく変わります。
そのため、
基本給はいくらなのか。
固定残業代はいくらなのか。
何時間分なのか。
資格手当や職長手当は別なのか。
残業代は別途支給なのか。
休日出勤はどうなるのか。
といった給与の内訳を見ることが重要です。
「月給はいくら?」だけではなく、「その月給は何でできている?」まで確認する。
これが会社比較では大切です。
最終的には「年収」で比較する
では、日給と月給のどちらを基準にすればいいのでしょうか。
会社同士の収入を比較するのであれば、最終的には年収で考えるのが分かりやすいでしょう。
例えば、
A社:月給40万円・賞与なし
B社:月給36万円・賞与年2回
月給だけならA社が4万円高くなります。
年間の月給部分では、
A社:480万円
B社:432万円
です。
しかしB社に年間70万円の賞与があれば、年収は502万円になります。
すると年収ではB社の方が高くなります。
さらに資格手当や職長手当、残業手当などがあれば差は変わります。
求人を見るときは、
「この会社で1年間働いたら、結局いくらになるのか?」
を計算してみると比較しやすくなります。
年収例を見るときにも注意する
求人に、
「年収600万円可能!」
と書かれていることがあります。
魅力的ですが、
「誰が600万円なのか」
を確認することが重要です。
入社1年目でも可能なのか。
職長クラスなのか。
経験20年のベテランなのか。
残業や休日出勤を多くした場合なのか。
資格手当を含んでいるのか。
例えば会社に一人だけいるベテラン職長の年収が600万円だからといって、転職した自分もすぐ600万円になるとは限りません。
年収例を見るなら、
「30歳・経験5年・入社2年目・年収480万円」
「職長・経験10年・年収550万円」
など、年齢・経験・役割までセットで見ることをおすすめします。
「年間休日」も一緒に比較する
年収まで確認できたら、もう一つ見てほしい数字があります。
それが年間休日です。
例えば、
A社:年収550万円・年間休日85日
B社:年収520万円・年間休日120日
年収だけならA社が30万円高くなります。
しかしB社は年間で35日多く休めます。
この差をどう考えるかは人それぞれです。
「多少休みが少なくても稼ぎたい」
という人ならA社が合うかもしれません。
「子どもとの時間を増やしたい」
という人ならB社の方が魅力的かもしれません。
大切なのは、
収入と休日を別々に考えないことです。
高収入の理由が単純に出勤日数の多さなのであれば、本当に自分が求めている待遇なのかを考える必要があります。
「1日あたり」「1時間あたり」で考えてみる
さらに細かく比較したいなら、働く時間に対する収入を考えてみる方法もあります。
例えば同じ年収500万円でも、
年間休日80日で残業が多い会社。
年間休日120日で残業が少ない会社。
では、働く時間に対する収入は大きく違います。
特に建設業では、現場での作業時間だけではなく、
朝の集合。
現場までの移動。
会社へ戻る時間。
なども生活に影響します。
求人票上では「8時~17時」となっていても、毎朝6時に会社へ集合して帰宅が19時なら、実際には一日の多くを仕事に使っています。
給与を比較するときは、
「いくらもらえるか」だけではなく、「その金額を得るためにどれだけ時間を使うのか」
という視点も持っておきたいところです。
賞与は「昨年度実績」を確認する
「賞与あり」と書かれている求人も多くあります。
ただし、「賞与あり」だけでは実際にいくらもらえるのか分かりません。
年2回なのか。
合計何カ月分なのか。
業績によって変動するのか。
入社初年度から対象なのか。
可能であれば、
「昨年度はどれくらい支給されましたか?」
と聞いてみるといいでしょう。
もちろん賞与は会社業績などによって変わるため、毎年同じ金額が保証されるとは限りません。
それでも過去の実績を知れば、年間収入を考える材料になります。
目先の金額だけで会社を決めない
転職するときは、どうしても求人票に大きく書かれた数字に目が行きます。
日給2万円。
月給40万円。
年収600万円。
もちろん、どれも重要な数字です。
しかし本当に見るべきなのは、その数字の中身です。
日給なら、年間で何日働けるのか。
月給なら、基本給や固定残業代はどうなっているのか。
年収なら、賞与や手当を含めてどれくらいになるのか。
そして、
年間休日。
残業。
休日出勤。
移動時間。
昇給。
こうした条件も合わせて考える。
すると、本当の意味で会社を比較できるようになります。
結局、何で比較すればいい?
会社を比較するときの考え方を整理すると、
日給を見る。
↓
月収にするといくらになるか考える。
↓
賞与・手当を含めて年収にする。
↓
年間休日・残業・移動時間も確認する。
この順番で考えると分かりやすいでしょう。
最終的に重要なのは、
「1年間でいくら稼げて、そのために何日・何時間働くのか」
です。
そして、もう一つ忘れてはいけません。
現在の収入だけではなく、
「3年後、5年後にいくら稼げるのか」
も会社によって違います。
資格を取れば上がる。
職長になれば上がる。
できる仕事が増えれば評価される。
そんな仕組みがある会社なら、入社時の給与が少し低くても、将来的には逆転する可能性があります。
職人が会社を選ぶときに大切なのは、求人票に書かれた一番大きな数字を選ぶことではありません。
日給・月給・年収・休日・時間・将来の昇給まで含めて、
「自分にとって本当に条件のいい会社はどこなのか」を考えること。
同じ「年収500万円」でも、その500万円をどう稼ぐのかは会社によって違います。
給与の「高さ」だけではなく、給与の「中身」と「働き方」まで比較する。
それが、職人として後悔しない会社選びにつながるのではないでしょうか。
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